今日も眠れない。どうしよう
寝る時間になった。眠れないことが怖くてドキドキする
このように夜眠れないことに対してお困りの方はいませんか?
眠れないと明日の学校や仕事などに支障をきたしそうで不安になりますよね。またこんなに睡眠が少ないと倒れたり、免疫力が低下して体調を崩してしまうのではないかと不安になる方もいるでしょう。
眠れない問題は深刻ですよね。
とはいうわたしもかつて眠れないことに悩んだ過去があります。
布団に入っても眠気が全くこず、時間ばかりが過ぎていく・・。頑張って目を閉じるのですが、ドキドキして眠くなる気配がないのです。
どうにかして寝ようと寝る前に少量のお酒を飲んだり、市販の睡眠導入剤を飲んだりと工夫したこともありました。「きっと不眠症」だと病気と捉えて深刻に悩みました。
でも森田療法の「感情の法則」というものを学んだことで、私は寝れない問題とうまく向き合えるようになりました。
森田療法は不安障害に効果があるとされている治療法です。森田療法では自分が感じる不安や恐怖を排除しようとせずに、それらを自然な感情として受け入れていく考え方を大切にしています。
わたしは社交不安障害(視線恐怖症)を12年間わずらっていて、そのときに森田療法を学びました。
眠れないことへの不安や恐怖を森田療法の考え方に当てはめてみると
眠れないこと=病気ではなく
眠れない焦り=焦りが増幅して眠れない当たり前の現象
として捉えることができます。
わたしは今もたまに眠れない日があります。でも今の考え方ができるようになり、「こんな日もあるか」程度に捉えて、寝不足になったとしても諦めが早いです。
\\この記事では眠れないことへの不安や恐怖との向き合い方を学ぶことができます//
眠れない時の考え方や過ごし方を知って、眠れない自分と上手く向き合いましょう。
今回は不安や緊張による感情から眠れないという悩みを抱えた方に焦点を当ててお話しています。わたしは専門家ではありませんので「不眠症」と診断させた方やまた別の病気によって眠れない方は専門家へ相談・専門家の指示に従って行動なさってください。
記事の内容としては眠れないと悩んだわたしの体験談と森田療法の勉強で得た知識を合わせて書いたものとなります。
関連記事:【体験談】社交不安障害を30歳で克服。それまでの過程を一挙公開。
では本題に入っていきたいと思います。
目次
眠れない原因
さっそく眠れない原因について見ていきましょう。
原因① 眠れないことへの焦り
まずは眠れないという現象に焦りを覚えてしまい、その焦りが焦りを大きくし眠れなくなります。
気持ちが興奮している状態なので、眠れなくなるのも無理はありません。
この時の状態は人前で発表をすることに強い緊張感をもち空回りしてしまう人と似ています。
人前での発言が苦手な人がドキドキ高鳴る心臓に焦りを感じて「緊張してはいけない」と思えば思うほど緊張が増していくことがあります。そして空回りして発言そのものができなかったり、言いたいことが伝えられなかったりすることがありますよね。
発表で空回りしてしまう心理と寝たいのに眠れないときの心理の似ているポイントは次の通りです。
・発言を上手くしたくて、邪魔と感じる「緊張」を排除しようとした結果、余計に緊張して大事な「発言」ができない
・今日こそはちゃんと眠りたくて、邪魔に感じる「焦り」を排除しようとした結果、余計に焦って大事な「睡眠」ができない
不快な感情に着目すればするほど、上手くいかないということがわかります。
焦りは自然な感情です。焦ることで心の準備を始めているのです。感情は「もう大丈夫だ」と分かれば、自然と弱まっていきます。そして消滅していくのです。なので自分が不快と感じる感情はそのままにしておくべきなのです。
「焦ってはダメだ」「焦りよ沈まれ」と感情に着目すればするほど、その感情は大きくなっていくのです。
原因② 眠れないことへの不安
寝不足になると自分の体調やパフォーマンス低下を心配し、「倒れやしないか」「不健康ではないか」などと不安になってしまう方が多いと思います。
原因①で述べた「焦り」の結果のように、不安感もその感情に着目すればするほど不安は募っていきます。
ここでも例を挙げたいと思います。
例えば参加が半強制とされる保護者会。雑談や大人数の場所が苦手な人にとって、そのような集まりへの参加は億劫になりますよね。
でも保護者会では今後の子どもの教育や学校生活において大切な話があるかもしれないので不参加という選択肢は取りづらいですよね。
こんな時に、上手くママやパパさん達に溶け込めなかったらどうしよう・冷たい目で見られたらどうしようなど不安が募れば募るほど、その不安は現実のように感じてしまうなんてことがありますよね。
保護者会での不安と眠れない時の不安。似ているポイントは次の通りです。
・保護者会に不安なくすっきりとした気持ちで参加したくて、不安について考えていたら、ますます「不安」が大きくなり、参加するのが怖くなった
・きちんと睡眠をとって健康的でありたいと、寝不足に対する不安を考えていたら、ますます「不安」が大きくなって眠れなくなった
焦りと同様、不安も自然な感情です。自分にとって不安を感じることが安心に繋がる近道なのです。不安を感じた際も下手にやりくりせずに、感じたままにしておくことが大切です。
「不安を取り除きたい」「不安を解決させたい」と感情に着目すればするほど、その感情は大きくなっていくのです。
眠れなくなりやすい人の性格
わたし自身もそうですが「眠れない」という悩みに陥りやすい方には似たような気質や性格傾向があると感じています。
実際に不安障害になりやすい方は神経質な方が多いと森田療法でもいわれています。
わたしが感じる「眠れないことに不安を感じやすい」人の性格傾向をまとめてみました。
性格① 心配性
眠れない日が続くとこんなことが頭に浮かびませんか?
いつか倒れてしまうのではないか?
睡眠がしっかり取れない自分は不健康な体なのではないか?
このように眠れないことに悩むのは
・健康でありたい
・規則正しい生活を送りたい
という思いが根本にあるからです。
自分に関心が強く、それが叶わない現実に焦り心配が募っていくのです。
「寝れなかったら誰だって心配するでしょ!」と、思った方もいるかもしれませんね。
でも世の中には自分がショートスリーパーであることを自覚して、それを公言している方もいますよね。もちろん睡眠習慣を改善したいと考えている方もいるでしょうが、自分は短い睡眠時間でも大丈夫なんだと肯定的に考える方もいます。
心配するのは人それぞれなのです。
性格② 自分の感情に敏感
眠れない。どうしよう・・どうしよう・・
心臓がすごいドキドキしている。
不安感や緊張に悩まされる人は自分の感情に元から敏感で、自分の感情としっかりと向き合おうとしてしまう傾向があります。
逆に敏感ではない人は自分の感情を大げさに捉えずに、不快な感情をポジティブに捉えたり、うまく感じきったりすることができます。
性格③ 完全欲が強い
寝ることに対して自分の理想が高い方がいます。
理想が高い人の考え方の例です。
・ベット・布団に入ったらすぐに入眠するべきだ→布団・ベットの中で寝られずにジタバタしていてはいけない
・睡眠は起きた時にスッキリして身体が休められたような充実感があるべきものだ→寝不足でだるさや疲労感を感じる自分はダメである
完全欲が強い人は0か100、白か黒の考え方になりやすいです。
そのため自分が理想とする睡眠ができないと、焦ったり不安を感じたりしてしまうのです。
眠れない時の対策4選
それでは眠れない時の原因や性格傾向を踏まえて、眠れないときの対応策についてまとめていきます。自分が取り入れられる対策からぜひ試してみてください。
対策① 身を委ねる
森田療法には「感情の法則」というものがあります。創始者である森田正馬が提唱した感情の法則とは次の通りです。
①感情はこれをそのままに放任し、もしくはその自然発動のままに従えば、その経過は山形の曲線をなし、一昇り一降りして、ついには消失するものである。
②感情はその衝動を満足すれば、頓挫し消失するものである。
③感情は同一の感覚に慣れるにしたがって、鈍くなり不感となるものである。
④感情はその刺激が継続して起こるときと、注意をこれに集注するときにますます強くなるものである。
⑤感情は新しい経験によってこれを体得し、その反復によって、ますますその情を養成するものである。
「引用:はじめての森田療法 北西憲二 講談社現代新書 121p参照」
感情はやりくりせず、自然に感じていれば、不快な感情も自然に消失していくのです。
眠れなくて焦っている時の感情はまさに④の状態です
「どうしよう眠れない」→どうしようという「焦り」ばかりに目が向き、焦りが増していく。
焦りは自然な感情です。明日をより良く過ごしたいあなたがそう感じさせたのです。
高鳴る焦りや不安は、満足したらいつしか消失します。排除しようと下手にやりくりせずに、感じたままにしておくのです。
「寝なきゃ、寝なきゃ」と一生懸命目を瞑ることや、眠れない自分に「リラックス、リラックス」と無理に言い聞かせることは焦りを排除しようとしている行為につながります。
その行為がより「焦り」に着目していることになるのです。
人間眠くなったら、自然と寝る生き物です。通勤の電車や授業中、またお昼寝タイムなど・・しっかりどこかで体を休めていますので「今、完璧にここで寝なくてもまあいっか」くらいに捉えましょう。
こんな経験をしたことはありませんか?
眠れない時にもう降参して、読書やラジオを聞いていたらいつの間にかに寝ていた・・。
これは不快な感情に対するやりくりをやめたから、感情が次第に落ち着き、眠りにつくことができたといえるでしょう。
対策② リラックスできる環境を整える
睡眠にはもちろん環境を整えることも大切です。
あなたがリラックスできる環境はなんですか?
よくおすすめされているリラックス方法を下にまとめました。ぜひ試せるものから取り組んでみてください。
◎おすすめのリラックス方法
・疲れた身体をお風呂に入ってゆっくり癒す
・寝る前にスマホを見るのをやめる
・ストレッチや瞑想をして身体を整える
・キャンドルを灯し、落ち着ける空間を作る
・好きな匂いやリラックス効果のあるアロマをたく
眠るためには徐々に身体をリラックスモードにしていくことが大切です。
今日1日頑張って過ごした自分にねぎらいの気持ちを込めて、環境を整えることへの意識をしっかりと持つようにしていきましょう。
環境を整え方として住まいの環境に目を向けるということもひとつの方法です。近所の騒音や隣人の生活音があまりにも大きい場合、音に敏感な人であれば強いストレスになるからです。コチラに住まいの環境の大切さをまとめた記事があります。
対策③ 大きな生活の乱れは見直す
あまりにも大きな生活の乱れは見直していく必要があります。
生活の乱れとは例えば次のようなことが挙げられます。
・夜遅くまでゲームをしている。
・深夜まで起きている習慣があり、昼夜逆転の生活
・寝る前の暴飲暴食
寝れないと悩んでいる人の中には布団に入るのがそもそも遅いという方もいます。
人間は8時間睡眠が理想とされています。
起きる時間から逆算をして、早めに布団に入る習慣が大切となります。
夜勤の仕事や子育て中の方であれば仕方がありませんが、そうでない方は生活リズムを正していく意識をまず最初にもつようにしていきましょう。
精神的ストレスや情緒の乱れによって引き起こる行動であれば、専門家に相談してみてもいいと思います。
対策④ 自分をよく知る
自分をきちんと知ることで睡眠への意識を変えることができます。
例えば次のような気質または性格傾向がある方は疲れやすいため、睡眠への意識を高めていきましょう。
・無理をしやすい方
・自分の疲れに鈍感で、休むのが得意ではない方
・考え込みやすい方
・人の感情を読み取りやすい方
・音や匂い、光など刺激に敏感な方
・不安・緊張などの感情が強い方
・葛藤が多い方
上記に該当するような気質・性格の持ち主は、周囲の刺激や思考を働かせるエネルギーにたくさんの体力を使います。
疲れやすさは人それぞれなので、自分のことをよく知ってうまく体を休めていくことが大切です。
わたし自身、森田療法でいう森田神経質・HSP気質というものに出会い自分の気質や感情との向き合い方を学んでいきました。自分のことを知り、ありのままに受け入れることで睡眠への意識がさらに変わりました。→HSPについて詳しく知りたい方はコチラの記事をご覧ください。
わたしは過去にこんなことで悩んだ経験があります。学校や仕事から帰宅すると睡魔に襲われ、何も手がつけられない状態でした。あまりの強い睡魔に病気を疑ったこともありました。
→コチラにその当時の悩みや疲れる原因をまとめた記事があります。
でも自分のことを知っていく中で集団での生活は自分にとってたくさんのエネルギーを使っていることが分かり疲れやすい自分を肯定的に受け入れられるようになりました。
関連記事:HSP気質でお悩みの方必見。ありのままの自分を受け入れて自分らしくいきていこう
まとめ
本日の内容を振り返っていきます。
◎眠れない原因は「眠れないことへの焦りと不安」
→「今日も眠れなかったらどうしよう」
→「全然眠くない。どうしよう・・。どうしよう・・。」
これらの感情が大きくなって、眠れなくなっているのです。
◎眠れなくなりやすい人の性格
【心配性】「健康でありたい」「規則正しい生活を送りたい」とそう考えている方ほど、眠れないことへの心配が強まっていきます。
【自分の感情に敏感】不安感や緊張に悩まされる人は自分の感情に元から敏感で、自分の感情としっかりと向き合おうとしてしまう傾向があります。
【完全欲が強い】完全欲が強い人は0か100、白か黒の考え方になりやすいです。そのため自分が理想とする睡眠ができないと、焦ったり不安を感じたりしてしまうのです。
◎眠れない時の対策4選
①身を委ねる・・感情はやりくりせず、自然に感じていれば、不快な感情も自然に消失していきます。排除しようと下手にやりくりせずに、感じたままにしておくのです。
②リラックスできる環境を整える・・睡眠にはもちろん環境を整えることも大切です。お風呂やストレッチ、瞑想などでリラックスできる習慣を作っていきましょう。
③大きな生活の乱れは見直す・・あまりにも大きな生活の乱れは見直していく必要があります。人間は8時間睡眠が理想とされています。生活リズムを正し、睡眠時間をきちんと確保できるように早めに布団に入る習慣を身につけていきましょう。
④自分をよく知る・・自分をきちんと知ることで睡眠への意識を変えることができます。世の中には疲れやすい体質な方もいます。まずは自分がその体質の持ち主でないかどうかを知ることも大切です。
眠れないって本当に辛いですよね。次の日が1日中だるいし、意欲も低下していいことないですもんね。
わたしはもともと繊細な気質なので、眠れなくて困った時期は社交不安障害や強迫観念や強迫行動にも悩まされました。
その当時は仕事が続けられなかったり、心療内科に通院したりするなど本当に苦しい日々でした。
でも感情について正しく学び、自分の気質をきちんと知っていく中で、自分らしく過ごせるようになったのです。睡眠の悩みもその過程で解消することができました。
この記事が、今「眠れない」と悩んでいるひとりでも多くの方の役に立ちますように。
眠れなくて悩んでいた時期に他にもこんなことで悩んでいました。気になる内容の記事がありましたらぜひ参考にしてみてください。
●心配性で「鍵をかけたかな?」「電気消し忘れてないかな?」と不安が強く、確認作業を繰り返していました。今はその不安との向き合い方が分かり、確認を最小限に止めることができました。→その記事はコチラ
●社交不安障害・主な症状としては視線恐怖症を12年間わずらっていました。社会人になってから症状がどんどん強くなり、働くことが難しいこともありました。自分の病気と退職願いを職場の上司に告白した時の実体験をまとめています。→その記事はコチラ
●社交不安障害・視線恐怖症で通院していた心療内科の様子をまとめました。心療内科ってどんなところ?と気になる方はコチラの記事をご覧ください。