この記事に足を運んでくださったということは、HSP気質をお持ちの方、またはHSPについて関心がある方だと思います。HSPとは(Highly Sensitive Person=ハイリー・センシティブ・パーソン)という言葉の頭文字を取ったもので、生まれつきとても繊細で刺激に敏感な人のことを言います。
どこか生きづらさを感じる・・
なぜ人と違うのか?
どうしてこんなに打たれ弱いのだろう?
そんなときにHSPという存在にであい、自分がHSPだと知って、救われた気持ちになった方も多いのではないでしょうか?
ですがHSPさんの中には自分がHSPだと自覚ができていても、HSPとして生まれてきたことを悔やんだり、他の人と比べて他人を羨んだりする方を多く見受けます。
「自分がHSPだと知ったけど、うまく気質を生かしきれない・・。」
そんなお悩みをもった方にぜひ読み進めていただきたいです。
目次
HSPとは
ではまず、HSPについておさらいをしていきたいと思います。HSPは5人に1人の割合でいるといわれている刺激に敏感で繊細な気質をもった人のことを指します。
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【HSPの種類】
HSPは4つの種類に分類されます。
- HSP・・内向型HSP
- HSE・・外向型HSP
- HSS型HSP・・刺激追求型HSP
- HSE型HSP・・刺激追求・外向型HSP
刺激追求型はポジティブっぽいし、外向型は社交性高いから、悩みがないんじゃないの?
そういった印象をもたれる方もいるでしょう。しかしどのタイプもHSP気質であることには変わりがないので、刺激に対するストレスや人間関係での疲れが伴います。
わたしはHSS型HSPの気質もあり、新しいことや新しい場所にワクワクする傾向があります。
関連記事:【診断テストあり】HSS型HSPの特徴。刺激を求めるけど疲れやすい。真反対の気質の持ち主
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HSPは刺激に敏感
刺激とは音や匂い、目から入ってくる情報、感触といった五感のことが挙げられます。外部からの刺激なのでなかなか自分でコントロールすることは難しく、ストレスになりやすいです。
またHSPさんにとってもっとも大きな刺激は「人」です。人の気配、表情、仕草、足音、口調・・。五感や人の感情が絡み合い、人の機嫌を伺いやすいHSPさんにとって強い刺激となるのです。
嗅覚
HSPさんは嗅覚が敏感な方が多いです。特定の匂いが苦手でその匂いをかぐと具合が悪くなってしまうなどの悩みを抱えやすいです。また他の人には分からないようなかすかな匂いも感じとれたりします。
【対策】としては、
- 苦手な匂いから離れる
- 苦手な匂いを消す
- マスクをして匂いを軽減させる
などが挙げられます。
関連記事:【対策あり】HSPは匂いに敏感。苦手な匂いで吐き気や体調が悪くなる場合も。
聴覚
聴覚が敏感なHSPさんは周りの人が気にならないような音量が自分には大きく聞こえてしまう、突然の音にびっくりしてしまうといった悩みを抱えやすいです。
【対策】としては、
- 自宅に防音シートやクッションなどを敷く。
- 一緒に過ごす相手がいたら苦手な音やボリュームについて理解してもらう
- イヤホンをつける
などが挙げられます。
家の中で防音対策ができたり、防音に強い家選びをすると自宅がしっかりと体を休められる場所となります。HSPさんにとって住まいの環境も重要となってきます。
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視覚
視覚が敏感なHSPさんは、強い光や人混みなどのたくさんの視覚情報に疲れやすいです。
【対策】としては、
- 自分で操作が可能なものは光の強さを調整する
- 視覚情報が多い場所へ行かない。または見ない。
- サングラスをつける
などが挙げられます。
人
すでにお話したとおりHSPさんにとって刺激は五感だけではなく、「人」そのものが大きな刺激となります。
親
特にHSPさんにとって親は大きな刺激です。大好きな親に認められたい、受け止めてもらいたいという思いから承認欲求が強くなっていきます。
HSPさんの中に優等生やいい子ちゃんが多いのは刺激の強い親に対しての承認欲求が背景にあるのでしょう。
また怒られることが苦手なHSPさんは小さい頃から親を怒らせないように気をつけてきた人も多いかと思います。
【大切なポイント】
親の機嫌を伺ったり、親に認めてもらうように努力するのは「他人軸」となります。なので相手の反応や期待値によって自分自身を評価したり、できない自分を否定したりするようになっていきます。
それではもちろん自分に自信はもてません。
「自分軸」になることが大切です。そのためには「本当は自分はどうしたいのか?」と自分に問いかけ、自分の気持ちを優先して物事を決めていきましょう。
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上司や権力者
そのまま成長していくと、社会に出て、親と同じような上の立場の人に対しても承認欲求をもったり、機嫌を伺いやすくなったりします。その結果、威圧的・高圧的な人に対して恐怖心を抱くようになります。
威圧的な上司は権力の使い方を間違えている人が多いです。また心の弱さゆえに威圧的な態度になっている可能性があります。指導の仕方が間違っているのは上司、または上司をうまく指導できていない上の立場の人の責任なのです。
【大切なポイント】
威圧的な上司は指導者としては完全に未熟です。上司は怒りで部下を指導するべきではありません。怒りでどうにかしようとしているのは完全に教育・指導を放棄していることになります。
ですが悲しいことにそういう方々はおどおどしたり、気が弱そうな人をターゲットに攻撃していくる傾向があります。そのため「本気で相手にしない」という技術を身につけていく必要があります。
例えば、
- 言っている内容だけを理解しようと努める。(相手の感情は受け止めない)
- 態度を変える。(無視や反抗的な態度は関係をこじらせてしまう可能性があります。なのでそっけなさを態度に入れながら話を聞いていくことをおすすめします。)
- 精神的負担を与え続けていくる相手なら、そこで働き続ける必要はありません。職場を変えることも一つの選択肢に入れましょう。
関連記事:【対策あり】上司が怖くて萎縮してしまうHSPさん必見。威圧的な上司との関わり方を伝授。
社会のコミュニティー
HSPさんは社会のつながりや自分が関係するコミュニティーにおいて悩みを抱えやすいです。HSPさんは良心的で協調性が高いので、その気質を生かしてうまく全体の輪の中に入れる方も多いと思います。
しかしその一方で、人の機嫌を伺って疲れやすいHSPさんにとって、その集団の中にいることに大きなストレスを感じてしまうこともあるのです。
そのひとつが【職場の人間関係】です。HSPさんは大人数の職場がまず向いていません。人が集まれば集まるほど気づかう対象が増え、におい、音、視覚情報などの五感の刺激も増えるからです。
【対策】としては、
- 少人数または一人で作業ができる仕事を選ぶ
- 自ら一人で作業する環境を作っていく
- しきりとなるようなものを置いたり、人と真正面にならない座席に座ったりして自分にとって緊張の少ない距離感を保つ。
などが挙げられます。
関連記事:【対策あり】HSPさんは職場の人間関係に疲れやすい。苦手なタイプの人間とは?その理由も解説
関連記事:【HSPさん必見】連休明けの仕事がしんどい。HSPの気質からその原因と対策をお教えします。
【親戚づきあい】もHSPさんの中にはストレスを感じている方がいます。
平和主義なHSPさんは親戚との関係を良好に築きたいという方も多いでしょう。その想いが強くなりすぎてしまうと、おもてなしや対応に力が入りすぎて疲れてしまうのです。
【対策】としては
- 関係づくりにプレッシャーを背負いすぎない
- 必要なことを最低限、話ができれば良しとする
などが挙げられます。
関連記事:【対策あり】HSPさんは親戚付き合いが苦手?苦手な心理とストレスを減らす方法を解説します
たくさんの情報を処理することが苦手
HSPさんは物事をゆっくり考えます。そのためマルチタスクの作業や仕事といった、たくさんの情報を処理していくことが苦手です。日常生活においても情報量や選択肢の多さからHSPさんが苦手とするものがあります。
例えば【買い物】です。買い物をする際にはいろんなことを考えなくてはいけません。
- どこで買うか
- 予算はどれくらいか
- どのようなデザインのものにするか
- 本当に必要なものかどうか
- 買うのか買わないのか
などです。このように買い物にはたくさんの選択肢や葛藤があるのです。また一人でゆっくり考えたいHSPさんにとって、店員さんとのやりとりは気疲れしてしまうでしょう。
【対策】としては
- 疲れたらこまめに休憩をはさむ
- 店員さんとのやりとりを減らす
- 無理に外出せず、ネットショッピングなどを利用する
などが挙げられます。
関連記事:【買い物が苦手】もっと買い物を楽しむ方法とは?苦手な理由をHSPの気質から読み解く
【運転】もたくさんのことを考えたり、時にとっさな判断が強いられたりするのでHSPさんは車の運転が苦手な人も多いです。
どんなことに思考を働かせるかというと、
- 事故にも繋がりうる判断(進むべきか、待つべきか)
- 道が塞がれていた場合のルート変更
- どの道から行くか
- 初めての場所でナビが使えないときの臨機応変な対応
などが挙げられます。
【対策】としては、
- 無理に運転をしない
- お決まりのコースを決めて安心して運転ができるようにする
- 細道を利用しない(運転技術が必要となり、プレッシャーを感じやすい)
- 車通りが多い道を利用しない(情報量が多く、混乱しやすい)
などが挙げられます。
関連記事:【必見】HSPは車の運転が苦手?運転が怖い・不安・苦手。その理由が明らかに
HSPは疲れやすい
これまでの情報を見てみるとHSPさんはただ普通に生活しているだけでも、たくさんの刺激を受けたり、たくさんのことを考えたりしてエネルギーを使っています。
そのためとても疲れやすくロングスリーパーのHSPさんも多いです。たくさん寝てしまう自分をだらしなく思ったり、時間を無駄にしている気がして寝ることをためらったりするHSPさんもいますが、身体を休めることはとても大切なことです。
1日に必要とされている8時間睡眠を心がけ、規則正しい生活を送りましょう。
関連記事:【これって病気?】「眠くなりやすい」HSPさん必見。脳と心が疲れやすい気質から読み解く
HSPは生まれもった気質=個性
冒頭でもお話ししましたが、HSPは気質です。生まれもったものですので、「治そう」「変えよう」としても変えられるものではありません。そのため自分を変えようとするのではなく、自分の周りの環境や習慣を整え、自分の過ごしやすい生活を作っていくことが必要になります。
なんでHSPとして生まれてきたんだろう・・
普通の人になりたかった。
このようなことを考えている方はまだ自分自身をきちんと受け止められていません。そのため他人軸になってしまっている場合が多く、人と比較して劣等感や孤独感を感じやすくなっていると思います。
確かにHSPの気質はメリットに受け止められない内容も多いです。
例えば、
- 疲れやすい
- 刺激に対するストレスが大きい
- 人の機嫌を伺って疲れる
などです。
HSPじゃなければ確かにもっと穏やかに過ごせたかもしれません。ですが自分として生まれてきた以上、全てを受け入れ自分を肯定していくことが大切です。
もっと堂々と生きていきたいよ
心が強い人になりたい
HSPさんの中にはこのように向上心に満ちあふれ、「もっとよりよく生きたい」という強い想いをもっている方がいます。その向上心は誰もがもっているものではないので、HSPさんの素敵な一面でもあります。
ただ他人との比較や高い理想像を追い求めることを通しての努力は自分を苦しめます。わたしの場合、この努力によって自分を追い詰めてしまい社交不安障害になってしまった経験があります。
相手との比較や高い理想像を打ち消すためには、「自分を知り」「自分を受け入れる」ことが大切です。それができると自分軸が生まれ、無理をしないこと、自分の能力を知ってその中で頑張ることができるようになってくるのです。
HSPさんは自分が幼い頃を思い出してください。きっと繊細な一面があったと思います。小さい頃から自分の気質に四苦八苦しながら過ごしてきたかと思います。これまでの自分の頑張りを認めてあげましょう。
気質は一生をかけて長く長く付き合っていくものになります。これからは自分の気質と仲良くなり、自分らしさを十分に発揮して過ごしていきましょう。
関連記事:わたしが感じた不安障害とHSPの境界線。不安障害を克服して見えてきたものとは
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HSPの魅力
HSPには素敵な魅力がたくさんあります。HSPさんは感受性が豊かで、共感力も高いです。そのため何気ない出来事や風景がHSPさんの目には繊細に移り、その映像が輝きをおびて見えたりします。
わたしはTwitter(@annkomochidesu)を利用していて、フォロワーさんにはHSP気質をお持ちの方が多くいらっしゃいます。
HSPさんのツイートを拝見していると、こんな印象を受けます。
- 優しい
- 共感性があって、温かく寄り添ってくれる
- 攻撃性がなく、穏やか
- 努力家さんが多い
- 真面目な方が多い
- 向上心が強い
- 謙虚(相手のことを考え発言や行動をする所など)
- 感受性が高い(自然の景色や感動する映画を見て感動する)
- 困っている人にすぐ気づいて心を寄せる
- 得意なものがあると力を発揮する
- 小さな気づきから学びを得る
などなど♪
HSPさんならではの魅力をたくさん感じます。それって本当に素敵な魅力だと思うんです。
自分が1番の理解者でいましょう
たくさんの魅力をお持ちのHSPさんですが、「みんなで一緒に」を重視する学校や社交性や発言力の高い人材を求める社会では、過ごしにくさを感じるHSPさんも多いと思います。
割合的にも非HSPさんが多いので、なかなか自分の気質を周りのひとに受け止めてもらうのも難しいのが現状です。
そのためHSPさんは自分が1番の理解者であることが大切です。自分が理解者であると次のことができるようになります。またこれらの行動は自己肯定感を高めていくこともできます。
自分が理解者であるメリット① 自分軸になれる
自分のことを正しく知ると、自分を優先して物事を考えられるようになります。
例えば
- 嫌なら断る
- やりたくないものはやらない
などです。
でも自分のこと優先してたら他の人に嫌われたりしないかな?
協調性を大切にするHSPさんそんなことを考える方もいるでしょう。でも大丈夫です。HSPさんは人の機嫌を伺いやすくもともと他人軸になりやすいです。そのためわがままくらいがちょうど良かったりします。
自分が理解者であるメリット② 環境を変えられる
HSPさんはストレスを受けやすく、疲れやすい気質で、それ自体は自分の力で変えることはできません。しかしストレスや疲労を減らす環境を自ら選ぶことはできます。
もし今いるところにストレスや生きづらさを感じている場合、次のことを意識して自分らしくいられる場所を探してみてください。
- 自分が輝ける場所
- 自分がのびのびできる場所(ストレスが少ない場所)
- 自分が活躍できる場所
- 自分の良さを求められる場所
- 自分を肯定してくれる場所
今いる場所や人間関係が全てではありません。自分に合った場所を探して自分らしく過ごしていきましょう。
自分が理解者であるメリット③ 自分のケアが上手くなる
HSPさんは刺激に敏感でいろんなことを考えるためとても疲れやすいです。でもそのことを自分がわかっていれば、自分を癒すことを優先できます。
疲れていたら休むということは当たり前のようですが、自分の疲れにうまく向き合えていない方も多いです。
頑張っているのはみんなも同じ。自分だけ疲れたなんて言えないよ
疲れ方や疲れ具合は人それぞれです。誰かとおしゃべりしたり、愚痴を言ったりすることでストレス発散になる人もいれば、内向的なHSPさんのように人と長時間いっしょにいることで疲れてしまう人もいます。
みんなに認めてもらうためにもっともっと頑張らなくちゃ!
自分の疲れに気付かずに頑張りすぎてしまうとどんどん体力を削っていってしまいます。いつでも自分の心と体の状態に目を向けることが大切です。
疲れを癒す方法としては
- 疲れたら寝る
- 疲れたら手を休める
- 生活習慣を整える(よく寝て、よく食べて、適度な運動をする)
- 自分のリラックスできることをする(自然に触れる、好きな音楽をきく)
- ひとりでいる時間を作る
などが挙げられます。
まとめ
この記事では
- HSPの基本情報
- HSPを個性として捉え、自分らしく生きていく方法
についてお話してきました。
人や情報、刺激があふれている世の中でHSPさんにとって大変なことはたくさんあります。疲れやストレスは大きなエネルギーなのでHSPの気質のマイナス面ばかりに目が向きがちですが、それでは苦しくなっていきます。
HSPは生まれもった気質、つまり個性です。
HSPの良さや自分らしさに目を向けて、そしてそれを生かせることや場所を探して、自分の魅力を高めていってほしいと思います。
では今日はこのへんで終わります。お読みいただき、ありがとうございました。