不安障害とHSPって紙一重のように感じる・・
ときどきわたしはそんなことを考えます。
わたしは約12年間社交不安障害・視線恐怖症をわずらっていました。
今は克服して自分がHSPという繊細な気質の持ち主であることを自覚して生きています。
HSPについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
わたしは現在保育士として働いています。
HSPは色んなことを深く考えたり、周囲の刺激に敏感なので、非HSPさんに比べると疲れやすいです。
そのため職場では無理をしないように心がけ、苦手な刺激からは距離を取るなど工夫をしながら働いています。
働いているとふと、不安障害をかかえていたときの自分を思いだします。
あのときの自分だったらこの状況、こんな風に考えてたよな〜
きっとここで無理したら、不安障害になっちゃうんだろうな〜
などなど…。
そんなことを考えると、不安障害とHSPって紙一重みたいだと思うのです。
でもやはり不安障害とHSPの間にはわたしの中には境界線があって、あるものを受け入れることで不安障害とHSPの間の線をまたぐことができたのです。
今回はわたしの体験とそこから生まれた見解から、不安障害とHSPの境界線についてお話していきます。
目次
不安障害とHSPの境界線を感じるエピソード
ではここでは不安障害とHSPの境界線を感じた実際のエピソードをお話していきたいと思います。
エピソード① 雑談タイム
HSPであるわたしは雑談が苦手です。
苦手ポイント
- 楽しませなきゃと頑張りすぎてしまう
- 相手の言葉遣いや表情で、相手の考えを読みとってしまい疲れる
など。
そのため今は無理して雑談に参加していません。
参加したとしても盛り上げようとか、トークの中心になろうといった責任を負わずに、さりげなく参加していることが多いです。
しかし社交不安障害・視線恐怖症のときは
盛り上げなきゃ必要とされない
人の視線が怖い。だから面白いことを言って相手を笑顔にさせよう
という意識がありました。
意識の仕方に境界線があります。その境界線についてはのちほど・・・
エピソード② リーダーの仕事
HSPであるわたしはリーダーの仕事にストレスを感じやすいです。
苦手ポイント
- リーダーという責務にプレッシャーを感じやすい
- 全体をみて仕事(マルチタスク)をしなくてはいけないのでキャパオーバーになりやすい
- 人に指示を出すことが得意ではない
などです。
リーダーという責務の上に、マルチタスクをこなすことは自分には向いていないとわかっているので、今はリーダーの仕事を簡単には引き受けません。
しかし社交不安障害・視線恐怖症のときは、
頑張らないと誰からも必要とされない。だからリーダーの仕事を引き受けてみんなに認められたい
ちゃんと仕事をこなさない自分を周りの人が変な目でみている
という意識がありました。
意識の仕方に境界線があります。その境界線についてはのちほど・・・
エピソード③ 残業
HSPであるわたしは疲れやすく残業がつらいです。
現在フルタイムで仕事をしていますが、今でもう体力ギリギリなので、残業はしないようにしています。
会社からも、残業をなるべくしないようにと言われているのでありがたい環境です。
フルタイムで体力がギリギリな理由
- 刺激の影響を受けやすく疲れが蓄積しやすい
- ひとりになれる時間が少ないので体力回復できるタイミングがない
- 上司や保護者といった苦手な人との関わりが多い
しかし社交不安障害・視線恐怖症のときは
みんなも残業している。ここで帰ったら悪口を言われるに違いない。だからわたしも残業しよう
みんなの視線が怖いくて、「お先に失礼します」だなて言えない
という意識がありました。
意識の仕方に境界線があります。その境界線についてはのちほど・・・
不安障害とHSPの境界線には自己受容があった
上のエピソードをみるとわかると思いますが、社交不安障害・視線恐怖症だったときは、いつも
相手にどう思われているか=他人軸
を考えていました。
HSPだと自覚いまは、
いつも自分の気質や体調に目を向けて、行動を選択しています。=自分軸
自分軸で行動できるようになったのは
本来の自分を受け入れられるようになったからです。(自己受容)
わたしはその自己受容が不安障害とHSPの境界線だと感じています。
では自己受容ができないことにより生まれる問題を詳しくみていきましょう。
問題① 自己肯定感の低さ
当時のわたしは自分自身のことがよくわかっていませんでした。
理想が高く、手の届かない自分に自信をなくしていたのです。
当時の自分の理想像
- みんなに愛される自分
- みんなからの人気者
- 明るい自分
- どんなことにもニコニコしていられる心の広い自分
などです。
しかしHSPの気質をもった自分は、
本来の自分
- 注目を浴びるとプレッシャーを感じやすい
- 「人」からの刺激を受けやすく疲れやす
- 疲れていると顔がひきつったり、口数が減る
- マナーを守らない人や協調性を乱す人にイライラしがち
など。
→わたしが長年悩まされた顔が引きる現象についてまとめた記事があります。
自分の気質とは真反対のことをしようとしていたこともあり、理想に手が届かないのは当たり前です。
その無理をする頑張りが不安障害の症状を悪化させていたのだと思います。
自己肯定感を高めるワンポイントアドバイス
自己肯定感を高めるには本来の自分を知り、自分に優しく寄り添うことが大切です。
HSPは繊細な気質で警戒心も他の方よりも強いです。
しかし理想が高かったわたしは、
不安や恐怖を感じるこんな弱い自分はダメだ
こんなことに苦手意識をもつのは器が小さすぎる
と、弱さがある自分を否定ばかりしていました。
弱さや人間関係に苦手意識をもつ自分を受け入れられなかったのです。
ですが、
- 弱さがあるのも自分
- 苦手なことがたくさんあるのも自分
そんな自分をありのままの自分として受け入れ、生きていく決心ができたときに自己肯定感はどんどん高まっていくのです。
問題② 承認欲求の強さ
当時のわたしは承認欲求が強く、優れたところを見せないと他人に受け入れられないと思っていました。
だからリーダーや目立つような役を積極的にやり、楽しくやっている姿をアピールすることで承認欲求を満たそうとしていました。
また残業も嫌な顔せずにやることで、頑張っていることを認めてもらおうとしていました。
しかし実際の自分はリーダーを楽しくできる器でなければ、残業を頑張れるほどの体力や気力はない人間です。
できないこと、苦手なことを楽しくやろうとしたり、本心を無視して笑顔で頑張ろうとしたりする行動が不安障害の症状を悪化させていました。
承認欲求に関するワンポイントアドバイス
まずは他人の評価を気にするのではなく、ありのままの自分を受け入れていきましょう。
弱い一面をもった自分も、苦手なことがある自分も自分だと受け入れることで、自分をかけがえのない存在として思えるようになります。
そう思えるようになると、他人の評価が気にならなくなってきます。
自分の弱さもきちんと受け入れられるようになると、他人の弱さの受容もできるようになります。
それができるようになれば、他人の評価によって自分の立ち位置を定めようとしていた苦しい努力から解放されるでしょう。
お互いの得意・不得意なことを補ったり、相手の人間性に目を向けたりすることができるようになると思います。
自分だけの評価しか気にならなかった自分が、人間の多様性や平等観への意識をもてるようになり、広い視野で物事を考えられるようになるのです。
さいごに
わたしが経験した社交不安障害・視線恐怖症はとても苦しいものです。
- もがいても抜け出せない恐怖
- 怖いと思っているのは自分だけという感覚
幻覚のような恐怖によって身動きが取れない自分を何度も責め、惨めに思いました。
わたしが不安障害から抜け出せたのは「本来の自分」を受け入れられたことがきっかけです。
それがわたしにとっての不安障害とHSPの境界線です。
不安障害で戦っている方々は、きっと苦しい想いをされているでしょう。
でもきっと道はいつか開けます。
今回のこの記事もその道に繋がるきっかけやヒントとなれば嬉しいです。
ではこの辺で終わります。お読みいただき、ありがとうございました。